地震に強いSE構法

日本では毎年多くの地震が発生しています。

地震で倒壊する住宅イメージ

島国のジャパンは地震との縁も深く、日本国内に建設される建造物は耐震性能が他の国々よりも優れていないと困ったことになります。 国の周りは活断層に囲まれていますし、もしも今から新築住宅を建てたとしたら、何十年か未来に耐用年数が尽きるまでの間に少なくとも1回は震災に見舞われるのではないかと言われております。 寿命が尽きるまでの期間大きな地震が発生しない可能性もありますが、その反対にマグニチュード5以上の地震と戦うことになる可能性のほうがはるかに大きいというのが評論家の意見なのです。 地面が揺れていない間は耐震設計なんかあまり関心を持たれない事項ですが、日本で生活するいじょういつ地震が起こるかわからないので、注文住宅だろうがデザイナーズマンションであろうが自分が暮らす住居は耐震工法で設計していることが望ましいでしょう。 「この前大きな地震があったばかりだからしばらくはないだろう、だから耐震についてはちょっと予算を削ってその分素敵なエクステリアを充実させたいな」と考えてはならず、前回以上の大地震が起きても崩壊しない住宅になるよう、耐震構法について気を使わなければならないのです。 災害が発生しない限りは安全で住民を守ってくれる住宅ですが、火災や大地震の時には住民を危険な目にあわすことが想定されます。 なのでその危険を極力減らすような工夫も大事で、最近ではSE構法という言葉もちらほら耳にする機会が増えてきました。SE構法では建造物にはどんな力がかかるのか、そしてどの程度までならその力に耐えることができるのかを調査し、性能報告書を発行しています。 これがなくても建築基準法でそこそこの耐震性能を備えていることが求められているので、そんなに貧弱な住宅が建てられることはありませんが、SE構法はその数歩先を歩いている新たな耐震についての考え方といったところでしょうか。 建築基準法で定められた耐震性能をクリアするだけでもとりあえずは問題ないのですが、想定以上の災害時には倒壊する恐れはどうしても残ってしまいます。 最近の大地震ですと東日本大震災の記憶が新しいですが、この時はマグニチュード9という類を見ない揺れが観測されました。地盤の揺れだけでなく津波による被害も甚大だったので日本中が震撼した大災害となり、多くの建物が破壊されまくったのは皆さんもテレビでご覧になったでしょう。 ニュースでご覧になった映像では大部分の家屋が潰れていたことと思いますが、被災地にもSE構法の建物がいくつかありました。じつは結構多く、約1,200のSE構法の建物があったのですが、驚くことに構造的な被害を受けた建物はなんと1つもありませんでした。 国の定めた建築基準法で求められる耐震性能よりも厳しい性能を要求されるSE構法なので、それで生み出された建物が頑丈なのは理解できますがここまで優秀な性能だったとは少し驚いてしまいます。 今後同規模の震災が起こらないとは言えませんし、それに耐えられる住宅を手に入れたいのならSE構法は必須となりそうです。大地震がおきたら諦める、なんて割り切った考え方ができるのであればいいですが、自分の命だけではなく一緒に生活する家族の命までも犠牲にすることはできません。家が倒壊しただけならまた建て直せばいいですが、震災は時として多くの命を奪うこともあるわけで、それを防ぐには住民を守ってくれる強固な建物が役立つのです。 地震でも揺れが直接人々の尊い命を奪いはしませんし、大怪我をさせることも稀です。被害が大きくなる理由、それは地盤の揺れによって建造物が倒壊し、それに巻き込まれて押しつぶされたり逃げ道が塞がれることにあります。地震発生直後は火災もすぐさま起こることが多いのですが、半壊した建物から逃げ遅れて命を落とされるケースも決して少なくはありません。 そんなアクシデントを防いでくれる確率が高いのが、今注目されているSE構法なのです。