SE構法の設計

SE構法ではどのような構造設計をしているのでしょうか。

SE構法について考える女性

壊れにくい住宅にするため、建造物にかかるあらゆる重さに耐えられるような構造設計をしていることがSE構法の基本となります。建物はそれ自体にも重さがありますし、屋根の重さで潰れてしまうような住宅では地震や台風が来なくてもペシャンコになるので論外です。屋根などの建造物だけではなく、住居内に設置されるであろう家具や設備の重量、内部で生活する人々の重量も考えてその重みに耐えられるだけの構造設計を行い、また冬には雪が積もる地域ならば数日は雪下ろしをしなくても問題ないように、といった地域性も計算に組み込まれます。雪だと対象となる地域は限られますが、風に対してはほぼ全国が対象となります。ほとんどの建造物はどの方向から風が吹いても少なからず風圧を受けることになり、全ての外壁はその風さんの力に負けない強さがなければなりません。地形によっては穏やかな風しか吹かないエリアもあり、その逆にしょっちゅう強い風にさらされるエリアもあるでしょうから、多少は建設予定地により構造設計も微調整がされるかもしれません。ただどの程度の風速まで耐えられるかを考えるとき、大型台風を念頭において構造設計されるのでどのエリアだろうと大きな差はないかと思います。地震荷重もかなり重要で、耐震設計に注力したい人もここは気になるところでしょう。地面が揺れるとその振動は建築物の下側から上側に伝播します。そしてその力の大きさは建造物の重量と大きさにも関係があり、重たい建物ほど揺れる力は大きなものとなります。地震荷重はどの建造物でも一律ではないので建物ごとに構造設計をする必要があるのです。軽量な平屋の住宅と高層ビルとでは、地震荷重の構造設計は全然違ったものになるでしょうし、結構細かい仕事なのです。また建物には重量の中心となる、重心というポイントがあります。そして堅さにも同じように剛心があります。このふたつのポイントが離れていると建造物は耐震性能が低下するので、なるべく近い位置になるようにSE構法では構造設計をしています。建物が変形するほど強い力が加わった時、その層間変形が建物構造に影響を及ぼさない範囲内に収める構造設計も震災に対しては効果を発揮します。少しでも建造物が変形して歪んだら構造フレームがズタボロになる、そんな住宅では地震に怯えながら暮らさなくてはなりませんし、夜もおちおち眠っていられません。ある程度変形しても踏みとどまる、そんな住宅でないと困ります。曲がらないし凹まないようガチガチに固めた建造物のほうが頼りになりそうなイメージもありますが、それよりも柔軟に対応してくれる住宅の方が我々の安全にとっては現実的なことなのです。絶対に曲がらない、歪まないような強固な住宅を建築しようとしたら、一般的な建売住宅や注文住宅では使用されない建材を大量にかき集めなければなりませんし、人間が地上で生活するには不釣合いな外観の建造物になりそうです。弱点を減らすため窓は限界まで少なく、そして小さくするでしょうし、建物自体もコンパクトにならざるをえないでしょう。その分お庭は広々としそうですが、そんな家に住みたいかと聞かれたら約95%の人は「NO」と回答しそうです。他にも基礎や応力など、SE構法では様々な構造設計を行っており、大震災が発生しても耐えられる住宅を全国各地で生産し続けています。建築基準法をクリアしていれば住宅を建てることはできますが、もしもの備えとしてより強固で崩壊しにくい安全な住宅を欲しがる方も増えています。安心できる、信頼できる住居を求める方々はこれからも増加する傾向にありますし、今後は新築物件におけるSE構法の建造物の割合はアップしていくでしょう。いつやってくるか分からない震災に備えて、皆さんもSE構法について少しは知識を仕入れておくことをお勧めいたします。